
紹介予定派遣による直接雇用とは、企業が正社員・契約社員として雇用する前に、一定期間、派遣社員として就業できる仕組みで、直接雇用への移行が前提となります。
近年、日本では、人材不足が深刻化しており、多くの企業がこの制度を活用しています。今まさに紹介予定派遣の利用を検討中だというところもあるのではないでしょうか?
ただ、実際に紹介予定派遣を利用する前に、さまざまな疑問を解消しておく必要があります。
そこでこの記事では、紹介予定派遣での直接雇用について、企業にとっての活用法を中心に解説いたします。
1.企業側が紹介予定派遣を利用する理由
人材を確保する際に、なぜ紹介予定派遣を利用するのか気になるのではないでしょうか。主な理由として、以下の3点があります。
- 手数料は高いが、秘密裏に採用できる
- 事前に仕事ぶりが分かり安心して採用できる
- 人材を探す手間を省いてもらう
通常の採用活動とは違った過程で人材を確保できる点が、紹介予定派遣の特徴です。上記の理由について詳しく解説するので、参考にしてください。
1-1 理由1:手数料は高いが、秘密裏に採用できる
紹介予定派遣を利用する場合、手数料が25%〜35%ほどかかります。派遣先企業にとっては大きな支出に感じるでしょう。手数料が高くても紹介予定派遣を使う理由は、経理や人事などの基幹職を表立って募集したくないからです。
大手企業の場合、基幹職の社員が大量に離職したとなると、経営状況の悪化を懸念される可能性もあります。そのため、秘密裏に人材を紹介してくれる紹介予定派遣の利用が選択肢に入るのです。
1-2 理由2:事前に仕事ぶりが分かり安心して採用できる
派遣期間中に採用候補者の仕事への適正や、能力の見極めができる点も紹介予定派遣の特徴です。実務に携わっているところを見て、直接雇用しても問題がないか判断すると、採用後のミスマッチが起こりにくくなります。
通常の採用活動では、書類選考や面接などでしか判断できません。そのため、実際に業務を始めたときに、想定していた働きぶりとは違う印象を抱く場合もあるでしょう。紹介予定派遣は最長6ヶ月まで採用候補者の働きぶりを確認できるため、時間をかけて候補者の適性を確認できます。[注1]
直接雇用の際は、企業側と採用候補者側が納得をした上で契約を交わすので、企業への定着率向上も期待できるでしょう。
注1]厚生労働省「紹介予定派遣を受け入れる期間」
https://jsite.mhlw.go.jp/miyagi-roudoukyoku/var/rev0/0119/7796/201814122824.pdf
1-3 理由3:人材を探す手間を省いてもらえる
通常の採用活動の場合、求人サイトやハローワークに求人情報を出し、入社希望者が現れるまで待つ必要があります。紹介予定派遣の場合、派遣会社から人材を紹介してくれるため、企業側で人材を探す必要はありません。
求人を出すための広告費や、採用に向けてスケジュールを調整する手間も不要。コストに関しても、派遣スタッフの紹介だけでは費用が発生しない点も魅力です。紹介に関する一連の対応は、派遣会社が行ってくれるため、迅速な採用活動が期待できます。
2.企業側から見た紹介予定派遣のメリット・デメリット
企業側から見た場合の紹介予定派遣のメリット・デメリットについて以下の2点を紹介します。
- 派遣元企業にとってのメリット|手数料収入の増加
- 派遣元企業・派遣先企業に共通するデメリット
紹介予定派遣ではメリットが得られる反面、デメリットも存在します。紹介予定派遣を検討する場合は参考にしてください。
2-1 派遣元企業にとってのメリット|手数料収入の増加
紹介予定派遣によって派遣元企業が得るメリットは、派遣料金や紹介手数料による収入が得られる点です。派遣料金は、派遣先企業が派遣元企業に支払う料金を指し「実働時間数×時間単価」で計算されます。
紹介手数料は、採用候補者と派遣先企業との間で正式に雇用契約を結んだ際に、派遣元企業が得られる手数です。
採用された候補者の理論年収(想定年収)に手数料をかけて計算され、手数料は35%程度が相場とされています。
採用の難易度が高い業界や人材によっては、35%以上かかる場合がありますが、契約内容によって25%〜35%の間が一般的です。理論年収とは、候補者の1年分の給与と賞与・手当を合計した年収と同等の金額を指します。
理論年収のほぼ3割を手数料として受け取れるため、派遣元企業にとっては貴重な収入源となるでしょう。
2-2 派遣元企業・派遣先企業に共通するデメリット
候補者を正式に採用するには、候補者と派遣先企業との間で雇用関係を結ぶ必要があります。しかし、候補者が正式に採用されるとは限らず、中には採用を辞退するケースも少なくありません。辞退された場合、派遣元も派遣先企業も、紹介予定派遣のメリットを受けることはできません。
派遣元企業にとっては手数料収入が得られず、派遣先企業にとっては再度人材の紹介を受けるところから始めなければなりません。紹介予定派遣は、採用候補者が必ず派遣先企業に入社するとは限らない点を、頭に入れておく必要があります。
3.紹介予定派遣に依頼する際の注意点
企業側が紹介予定派遣に依頼する際の注意点は、以下の3点です。
- 一般派遣と選考のフローに違いがあり時間がかかる
- 必ず正社員として直接雇用されるとは限らない
- 直接雇用時に契約条件が変更になる場合もある
一般的な派遣とは異なる点が多いため、スムーズに人材の確保ができるよう、上記の3点について詳しく解説します。
3-1 注意点①一般派遣と選考のフローに違いがあり時間がかかる
紹介予定派遣では、履歴書や職務経歴書を提出して書類選考をします。選考を通過すると面接に進むなど通常の採用試験と同じ流れが一般的。紹介予定派遣は派遣期間終了後に正式採用を前提としているため、通常の派遣のようにすぐには決まりません。
3-2 注意点②必ず正社員として直接雇用されるとは限らない
紹介予定派遣は直接雇用されるものの、正社員として雇用するわけではありません。雇用形態に決まりはなく、契約社員として採用する場合もあります。
契約社員での採用を前提とした紹介予定派遣もあるため、面接時に雇用条件についての説明が大切です。また、契約社員を経て、正社員登用を行っている企業もあります。まずは契約社員として雇用し、正社員に登用しても問題がないか見極める方法もおすすめです。
3-3 注意点③直接雇用時に契約条件が変更になる場合もある
賃金や労働時間などの契約条件は、派遣期間中は派遣元企業と結んだ雇用契約をベースにします。派遣期間が終了し、正式雇用される際、派遣先企業と雇用契約を結ぶため、契約条件が変更になる場合もあるでしょう。
採用候補者にとっては、雇用条件の違いは契約を結ぶか否かに関わる部分なので、派遣先企業側は変更点についての説明が必要です。また、正社員と契約社員でも条件が異なる場合もあるため、人材確保のためにも誤解が生まれないよう努力が必要です。
4.サンライフ・クリエイションなら人材派遣と紹介予定派遣の両方が可能に
引用元:サンライフ・クリエイション公式サイト
企業側が紹介予定派遣を利用する際の、メリット・デメリットや依頼する際の注意点について解説しました。紹介予定派遣は、正式採用の前に派遣社員として仕事の適性を見極める時間を確保できます。
また、派遣元企業から、採用候補者を紹介してもらう段階での料金は発生しません。しかし、派遣期間中や正式採用の際は派遣料金や紹介手数料が発生します。どのくらいの費用がかかるか事前に確認が必要でしょう。
サンライフ・クリエイションは、人材派遣と紹介予定派遣の両方に対応した派遣会社です。紹介予定派遣では最長6カ月間の「見極め期間」を設け、派遣スタッフの人柄や適性を見極められる体制が整っています。
人材紹介では、重要ポジションの人材のような外部に知られたくないような案件は、社名を非公開にして募集をかけられます。候補者の選定や面接スケジュールの調整なども請け負ってくれるため、まずは公式サイトから問い合わせてみましょう。