幅広い業界・職種で慢性的な人手不足が続いており、「応募が集まらない」「即戦力となる人材が見つからない」「採用活動に十分な時間が割けない」など、採用に関する悩みは年々増え続けています。
こうした課題に対して多くの企業が活用しているのが人材紹介サービスです。
本記事では、人材紹介の基本から、料金体系、利用シーン、人材紹介を利用する際の注意点、人材紹介会社を選ぶ際のポイントまでくわしく解説します。
目次
1. 人材紹介のサービスの種類
人材紹介サービスとは、企業が求める人材と、求職者をマッチングする採用支援サービスです。営業・管理・事務・専門職など幅広い職種が存在する業界では、採用ニーズに合わせてさまざまな紹介サービスを使い分けられます。
人材紹介には、大きく「一般紹介(登録型)」「サーチ型」「再就職支援」の3つの形態があります。
1-1. 一般紹介・登録型
もっとも広く利用されているのが、この「一般紹介・登録型」です。これは、紹介会社が保有する求職者データベースの中から、企業の募集条件に合った候補者を探し出し、紹介する方法です。
「登録者」の層は幅広く、若手の営業経験者からミドル層の管理職まで多様です。企業側は、自力で多くの応募者を集める必要がなく、紹介された候補者との選考に集中できます。
1-2. サーチ型
「サーチ型」は、いわゆるヘッドハンティングに近い形式のサービスです。一般紹介が「登録者の中から紹介する」のに対し、サーチ型は「市場全体から適した人材を探しに行く」点が異なります。このため、管理職や専門職など採用難易度の高いポジションで活用されます。
企業が自力で探すことが難しい人材に対してピンポイントでアプローチできるため、採用の成功確度を大きく高めることができます。
1-3. 再就職支援
再就職支援(アウトプレースメント)は、企業が従業員の退職・キャリア転換を支援するために利用するサービスです。採用目的ではなく、企業の人材マネジメントや組織再編をサポートする役割を持っています。
企業としての社会的責任やブランドイメージを守りながら、離職者のキャリア支援を行いたい場合に有効です。
2. 人材紹介を活用するメリット
人材紹介サービスとは、単なる「人を紹介してくれる仕組み」ではなく、採用活動全体の質を高めるためのサービスです。
不動産企業は、繁忙期や季節変動、拠点の増加などによって採用計画が左右されやすく、採用活動への負担が重くなりがちです。それを補完できる点が人材紹介の大きな魅力です。
2-1. 採用活動の負担軽減・効率化
求人作成や候補者の母集団形成、日程調整といった手間のかかる業務の多くを紹介会社が担うため、採用担当者は面接や最終的な選考に集中できます。人事担当者が少ない不動産企業ほど、この恩恵は大きく感じられます。
2-2. 採用コストが明確になる
人材紹介は「成功報酬型」であるため、採用が決まるまでは費用が発生しません。求人広告のように“掲載したけれど応募が来ない”というリスクが少なく、採用結果に応じて費用が明確になる点が企業にとって安心材料となります。
2-3. 非公開で採用活動ができる
「新規店舗の開設」「管理職の後任採用」など、外部に知られたくない採用も存在します。営業組織の体制変更など内部事情を周囲に知られたくないケースも多く、人材紹介なら余計な情報拡散を防ぎながら選考を進めることができます。
2-4. 自社の魅力を伝えやすい
不動産企業は、営業ノルマの厳しさや離職率の高さといったイメージを持たれることがあります。しかし紹介会社が第三者として求職者に企業の魅力や実際の働き方を説明してくれることで、誤解を解消しやすくなります。選考を進める段階での離脱率も低くなりやすい点が特徴です。
2-5. 自社のニーズに合う人材を採用しやすい
希望する経験・資格・人物像を伝えることで、紹介会社が条件に合う候補者を厳選して紹介してくれます。不動産営業の経験者や宅建保持者など、特定スキルを持つ人材に効率的に出会える点は、他の採用手法にはない大きな魅力です。
2-6. 長期的な雇用が期待できる
人材紹介は原則「正社員採用」を前提としています。そのため、長く働くことを希望する意欲の高い求職者と出会える傾向があります。採用のミスマッチを防ぎ、安定した人材確保につながる点は、不動産企業にとって非常に重要です。
3. 人材紹介と他の方法との違い
採用にはさまざまな手段がありますが、それぞれ特徴が異なります。
3-1. 人材派遣
人材派遣は、企業と従業員が直接雇用関係を結ばず、派遣会社が雇用主となる仕組みです。即戦力の事務スタッフを短期間だけ補充したい、繁忙期の物件管理や入力業務を任せたい、といった場面で利用されます。
短期的な業務に向いていますが、正社員として長く働く人材を採用したい場合は人材紹介のほうが適しています。
3-2. 紹介予定派遣
紹介予定派遣は、一定期間派遣社員として働いた後、企業と本人が合意すれば正社員として雇う仕組みです。実際の働きぶりや職場の雰囲気を確認してから採用できるため、ミスマッチを防ぐ効果があります。不動産の事務や管理業務など、スキルや性格などのバランスが重要なポジションで使われやすい手法です。
3-3. ハローワーク
ハローワークは無料で求人を掲載できる点が大きなメリットです。ただし求職者の層は幅広く、即戦力や専門知識を持つ人材を探すには時間がかかることがあります。不動産営業の経験者や宅建保持者の採用には、人材紹介の方が効率的なケースが多いです。
3-4. 求人広告
求人広告は多くの人に情報を届けられる反面、「掲載しただけで応募が来るとは限らない」という難しさがあります。広告費が先払いで発生するため、費用対効果を予測しづらい点も課題です。人材紹介のように採用成功を前提とした仕組みとは大きく異なります。
3-5. 自社HP
自社の採用ページは、企業文化や職場の雰囲気を伝えるには非常に有効です。しかし、そもそも認知度が低い企業の場合はアクセス数が伸びにくく、母集団を十分に確保できないという課題があります。ほかの手法と併せて活用することが一般的です。
4. 人材募集から採用までの流れ
人材紹介サービスとは、採用活動における多くの工程を専門会社がサポートし、企業の負担を大幅に軽減する仕組みです。
採用担当者が営業や管理業務を兼務しているケースも多い環境では、プロセス全体を効率化できる点が大きなメリットとなります。ここでは、人材紹介を利用した場合の採用の流れを順を追って説明します。
4-1. 募集要項を考える
最初のステップは、採用したい人物像や業務内容を明確にすることです。たとえば不動産営業ならコミュニケーション力や宅建資格、賃貸管理なら顧客対応力、事務なら正確な処理能力など、必要なスキルや経験を整理します。こうした情報を明確にしておくことで、人材紹介会社が候補者を絞り込みやすくなり、精度の高いマッチングが可能になります。
4-2. 募集の開始
求人内容が固まると、紹介会社がデータベースやスカウト機能などを使って候補者探しを行います。企業側が複数の媒体に求人を出す必要はなく、紹介会社が条件に合う人材に直接アプローチします。求職者には企業の魅力や求人内容が丁寧に説明されるため、応募意欲の高い候補者と出会うことができます。
4-3. 書類選考
紹介会社から推薦された候補者の経歴書やスキルシートを確認し、面接に進むかどうかを判断します。不動産企業が採用したい職種ごとの条件が端的にまとめられているため、書類選考にかかる時間は大幅に短縮できます。また、候補者の人柄や希望条件なども紹介会社がヒアリングした上で補足情報として提供されるため、選考の判断がしやすくなります。
4-4. 面接
書類選考を通過した候補者とは面接を行いますが、日程調整や連絡業務はすべて紹介会社が担当します。面接当日も、求職者の緊張をほぐしたり、不明点を事前に解消しておくなど、選考がスムーズに進むようフォローが行われます。企業は面接に集中でき、業務負担を抑えながら採用活動を進めることができます。
4-5. 選考・条件調整
面接後は、求職者の評価を踏まえながら最終選考を行います。給与や入社日など、求職者との条件調整が必要になる場合もありますが、その多くは紹介会社が間に入りスムーズに進めてくれます。歩合制度や勤務体制について求職者が不安を抱くことも多いため、紹介会社が適切に説明し、双方の理解を深める役割を果たします。
4-6. 採用
条件がまとまれば内定を提示し、入社の意思確認へと進みます。入社後のフォローまで担当してくれる紹介会社もあり、早期離職のリスクを減らしながら安心して受け入れを進められます。
5. 人材紹介の料金体系
人材紹介サービスとは、多くの場合「成功報酬型」の料金体系が採用されています。採用が成立したときにのみ費用が発生する仕組みで、求人広告とは異なり事前費用がかからない点が特徴です。
もっとも一般的なのは「年収 × 手数料率」で計算する方法で、手数料率は20〜35%が目安とされています。つまり年収400万円の人材を採用した場合、紹介料は80〜140万円ほどになります。
また、早期退職が発生した際には紹介料の一部が返金される「返金保証制度」が用意されていることもあります。返金率は紹介会社によって異なりますが、入社後1〜3ヶ月以内に退職した場合に適用されるケースが一般的です。
このように、人材紹介は“採用が成功したときにだけ費用が発生する”ため、確実性を重視したい企業にとって利用しやすい仕組みと言えます。
6. 人材紹介の適した利用シーン
人材紹介サービスとは、どんな採用で効果を発揮するのか。ここでは、不動産企業が実際に利用しやすい代表的なケースを紹介します。
6-1. スペシャリストを採用したい場合
不動産投資、開発、仕入れなどの専門性が高い職種は、一般応募では十分な母集団を集めにくい傾向があります。専門スキルを持つ人材は市場価値が高いため、自ら転職活動を行っていないケースも少なくありません。サーチ型の人材紹介なら、こうした潜在的候補者に直接アプローチできるため、専門人材の採用成功率を高められます。
6-2. マネジメント層を採用したい場合
支店長、管理職、部長クラスの採用は、企業にとって重要度の高い決断です。適性の判断には高度な見極めが必要で、条件調整や入社後の期待値のすり合わせも慎重に行う必要があります。紹介会社は求職者の評価や実績を総合的に見極め、企業が知りたい情報を事前に整理したうえで紹介するため、安心して採用を進められます。
6-3. 急な欠員を補充したい場合
営業担当者の退職、事務スタッフの休職など、企業は急な欠員に直面することがあります。人材紹介は登録者データベースを活用して速やかに候補者を探せるため、緊急性の高い採用でも短期間で採用活動が進むことがあります。
6-4. 採用ノウハウやリソースが不足している場合
小規模企業では、専任の人事担当者がいないケースも珍しくありません。求人作成、候補者対応、面接調整など、採用に必要な業務は多岐にわたり、ノウハウやリソース不足は採用の質に直結します。紹介会社が採用プロセスの多くを代行することで、企業は必要な部分だけに集中でき、結果的に採用活動の質が高まります。
7. 人材紹介を活用する際に気をつけたい点
人材紹介サービスとは、効率的に優秀な人材へアプローチできる便利な採用手法ですが、活用する際にはいくつか注意しておきたいポイントがあります。これらを理解しておくと、サービスを過不足なく使いこなせるようになり、採用の成功につながりやすくなります。
7-1. 自社で採用活動を行うより高額になる可能性がある
もっとも注意すべき点は「成功報酬型による費用負担」です。求人広告のように“掲載するだけ”で済むものではなく、採用に成功した場合に一定の紹介料が発生します。年収に応じて金額が決まる仕組みのため、年収の高いポジションほどコストが大きくなります。
費用を予算に反映させ、採用の優先度が高いポジションに絞って利用するなど、計画的に活用することが求められます。
7-2. 採用活動の情報が共有されないと採用ノウハウが蓄積されづらい
人材紹介は、応募対応やスクリーニングなど多くの業務を紹介会社が担うため、企業側の工数は軽減されます。しかしその一方で、応募数の傾向や転職市場の変化、求職者が応募に至らなかった理由など、採用に関する情報が企業の内部に蓄積されにくくなる可能性があります。
紹介会社とのコミュニケーションを密にし、背景情報や求職者の声を積極的に共有してもらうことで、社内の採用ノウハウを育てることができます。
7-3. 大規模採用には向いていない
人材紹介は個別のポジションに対して丁寧にマッチングを行うサービスであるため、大量採用や短期間での大量募集には適していません。例えば、店舗スタッフを多数採用したい場合や、同時に複数の勤務地で募集したい場合は、求人広告や派遣サービスとの併用が必要になります。
8. 人材紹介会社を選ぶ際のポイント
人材紹介サービスとは、紹介会社の質や専門性によって、採用結果が大きく変わるサービスです。同じ求人内容でも、紹介会社が異なるだけで紹介される人材のレベルが大きく変わることも珍しくありません。だからこそ、紹介会社選びは慎重に行う必要があります。
8-1. 登録者の情報や人数、過去の紹介実績
紹介会社がどのような種類の求職者をどれだけ保有しているかは、採用成功率に直結します。また、どのような企業にどんな人材を紹介してきたかという「実績」も重要です。業界に精通した紹介会社ほど、求職者の選定精度が高く、ミスマッチを避けやすくなります。
8-2. 紹介手数料
手数料率は紹介会社によって異なり、20〜35%が一般的な相場です。一見すると率だけで比較しがちですが、重要なのは「費用に見合う採用結果が得られるかどうか」です。サポート内容や候補者の質、マッチング率を総合的に判断する必要があります。
8-3. 成功事例の有無
過去にどのような企業が利用し、どんなポジションで成功しているのかは、その紹介会社の“得意分野”を知る手がかりになります。特定の業界向けの成功事例が豊富な会社は、業界の特殊性を理解しており、採用の成功確度が高くなります。
8-4. 業界や職種、転職市場への理解度
紹介会社の担当者が業界の動向や転職市場の変化をよく理解していれば、より適切な求人提案や候補者紹介が期待できます。市場の需給バランスや求職者の志向を把握している担当者は、企業の採用課題に対して的確なアドバイスを行い、結果的に採用の質を高めます。
9. 人材紹介の活用事例2選
最後に、人材紹介活用の具体例を紹介します。人材紹介サービスとはどのような場面で力を発揮するのかがより鮮明になります。
9-1. 長年勤めていた社員の退職に伴う営業アシスタント採用に人材紹介を活用
ある不企業では、長年営業アシスタントとして勤務していた社員が退職することになり、業務引き継ぎ期間の短さが課題となりました。企業が求めた条件は「業界での事務経験」「PCスキル」「正確性」の3点でしたが、求人広告では応募が少なく、早急に候補者を確保する必要がありました。
人材紹介会社を利用したところ、すぐに複数名の候補者が紹介され、短期間で面接まで進めることができました。結果として、業界経験のある求職者が採用され、業務の引き継ぎもスムーズに完了。採用担当者の負担も最小限に抑えられ、急な欠員でも安定した組織運営を維持することができました。
9-2. 経理業務のスキルやリーダーシップのある人材採用に人材紹介を活用
別の企業では、経理部門の体制強化として経験者採用が必要になりました。決算対応や部下の育成など、専門スキルとマネジメント能力の両方が求められ、一般応募では条件に合う人材が集まらない状況でした。
そこでサーチ型の人材紹介を利用したところ、市場には表に出てこない即戦力クラスの人材にアプローチでき、数週間で複数名の候補者と面接が実現しました。結果、経理の実務経験が豊富で組織マネジメントに強い人材を採用することができ、企業の課題が大きく改善されました。
10. まとめ|自社に適した採用手法を選び、不動産業の人材課題を解決する
人材紹介サービスとは、求める人材を効率的に採用するために、専門家である紹介会社が企業と求職者の間をつなぐ仕組みです。営業・管理・事務・専門職といった多様な職種が存在し、かつ人手不足が慢性化しやすい業界においては、採用活動を支える有力な選択肢のひとつとなっています。
採用を急ぎたい局面や、専門スキルを持つ人材をピンポイントで求める場面は少なくありません。人材紹介は、こうしたニーズに対して高精度なマッチングを実現し、短期間で候補者に出会える可能性を高めてくれます。
人材紹介サービスを検討する際は「紹介会社の強み」を見極めることが重要です。業界に強いか、登録者の層はどうか、成功事例があるかなど、複数の視点からチェックすることで、より自社に適したパートナーを見つけることができます。適切な紹介会社と連携することで、不動産企業が抱える慢性的な採用課題に対し、長期的で安定した解決策を得られるでしょう。
採用は、企業の未来を左右する重要な経営活動です。人材紹介サービスを上手に活用しながら、自社の採用力を高め、より良い人材と出会うための一助としてお役立てください。
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