人手不足や長時間労働といった課題が山積する中、不動産業界でも「働き方改革」への対応が急務となっています。顧客対応の多さや属人化しやすい業務構造により、改革が思うように進まない企業も少なくありません。
しかし、国の支援制度や外部リソースの活用によって、効率化と柔軟な働き方の実現は十分に可能です。
この記事では、不動産業界における働き方改革の現状や課題、具体的な解決策、活用できる補助金制度などについて詳しくご紹介していきます。
目次
1. 不動産業界の働き方の現状
不動産業界は他業界と比べて対面業務が多く、営業時間も長いため、従業員の働き方に関する課題が特に顕著です。ここでは、現場で見られる働き方の特徴と課題を整理します。
1-1. 労働時間が長い
長時間労働は不動産業界において深刻な課題です。特に営業職では、顧客対応の都合から土日出勤や夜間対応が必要になることが多く、週に1日しか休めないといったケースも珍しくありません。長時間労働の背景には、属人化された営業活動や非効率な業務フローが存在しています。これらを見直すことが、労働時間の短縮につながります。
また、営業マン一人が担当する業務範囲が広すぎるため、業務過多が常態化しており、マネジメント層が状況を把握しきれていないことも一因とされています。タイムカードや勤怠管理のシステム化により、状況の可視化が第一歩となります。
1-2. テレワークが導入されていない
近年、テレワークの導入が進んでいるものの、不動産業界では浸透が遅れています。対面対応や現地での業務が多いため、「テレワークは難しい」と捉えられてきましたが、業務によっては改善の余地があります。一部業務のオンライン化や物件案内のバーチャル化など、段階的なテレワークの導入が進んでいます。
また、顧客対応のデジタル化、VR内見やチャットボット導入などを組み合わせることで、テレワークとの親和性を高める工夫が可能です。
1-3. 人材の確保・定着が困難
働き方に柔軟性がなく労働環境も厳しいため、若手人材の定着率が低いという問題もあります。採用活動をしても応募が少ない、採用してもすぐに辞めてしまうといった声が多く聞かれます。定着率向上には、働き方の柔軟性に加えて、研修制度やキャリアパスの明確化も有効です。若年層の離職理由としては、キャリアの展望が描きづらいことや、過度な労働時間に対する不満が挙げられています。現場と経営層の間で、現実的かつ継続可能な職場改善の方針を共有することが不可欠です。
2. 法改正によっても不動産の働き方が変化しつつある
国を挙げた労働環境改善の動きは、不動産業界にも影響を与えています。各種法改正が、従来の働き方に変革を迫っています。
2-1. 働き方改革関連法の改正
時間外労働の上限規制や年5日の有給取得義務などが導入され、法令違反に対する罰則も強化されました。これにより、不動産企業も従業員の労働時間や労務管理の見直しが不可欠となっています。多くの企業でこれを契機に、時間管理に対する意識が向上し、定時退社を促す取り組みや、管理職向けの研修が実施されています。
2-2. デジタル改革関連法案の成立
行政手続きや契約業務のデジタル化を進める法律が整備され、不動産取引にも変化が生じています。押印不要、電子契約の活用などが進み、業務効率化の後押しとなっています。電子契約書の法的有効性が認められたことで、対面業務に依存しない体制構築が加速し、地方の不動産業者でも取引の幅が広がっています。
3. 不動産業界の働き方改善には「システム導入」が効果的
働き方改革を実現するには、アナログな業務を効率化するシステムの導入が重要です。実際に多くの業務はデジタル化によって効率化が可能です。
また、クラウドシステム導入により、拠点間の情報共有が円滑になり、組織全体の生産性向上が期待されます。
3-1. 物件入力・広告出稿業務
紙ベースや手作業で行われている物件情報の登録やポータルサイトへの広告出稿は、ミスも多く非効率です。これらを一元管理するシステムを導入することにより、スピードと正確性が向上します。
3-2. 顧客情報管理・追客
顧客情報の管理や、問い合わせ対応、追客業務は営業活動の要ですが、属人化しやすい業務です。CRM(顧客管理システム)の導入により、業務の見える化・効率化が図れます。
3-3. 申込み・契約書作成
契約書や申込書の作成、管理、署名などもデジタル化が可能です。電子契約システムを活用すれば、契約業務が迅速になり、出社せずに対応できる範囲が拡がります。
4. システム導入に使える補助金・助成金
「システム導入したいけれどコストが不安…」という企業も多いかもしれません。そんなときは、国の補助金・助成金制度を活用することで、費用負担を抑えることができます。申請には事前の準備や書類作成が必要ですが、専門家の支援を活用すればスムーズな導入が可能です。
4-1. 小規模事業者持続化補助金
小規模な不動産会社でも申請可能で、業務改善やIT導入に関わる経費の一部が支援されます。特に販路拡大や集客を目的とした施策が対象となります。Webサイトの改修、LINEなどSNS連携ツールの導入も対象になるなど、幅広い活用例があります。
4-2. IT導入補助金
中小企業がITツールを導入する際に活用できる制度で、クラウドサービスや業務管理システムなどの費用の一部が補助されます。条件によってはハードウェアも対象となる場合があります。サポートを行う認定IT導入支援事業者と連携することで、申請手続きや成果報告の作成をスムーズに進めることができます。
5. 人材不足の課題には「人材紹介・派遣」も有効な選択肢
システム化だけでは補いきれない課題、それが「人材不足」です。採用活動がうまくいかない企業にとって、人材派遣は現実的かつ柔軟な解決策となり、業務品質の安定化にも寄与します。
5-1. 専門スキルを持つ即戦力人材の活用
不動産業務に特化したスキルを持つ派遣スタッフを活用することで、教育コストや業務立ち上がりまでの期間を短縮でき、業務の即戦力としてすぐに現場で活躍できます。
5-2. 働き方改革への適応も支援可能
派遣社員の活用により、正社員の残業削減や業務負荷の分散が実現しやすくなります。これは働き方改革の一環としても非常に有効な手段といえます。
5-3. 採用コストと定着リスクの軽減
正社員を採用する場合、求人コストや面接・教育の負担が発生します。さらに、早期離職のリスクもあります。派遣ならば、必要なときに必要な期間だけ利用できるため、コストとリスクのコントロールが可能です。
6. まとめ
不動産業界は独自の課題を抱えていますが、システム導入・人材派遣など、活用できる施策は数多くあります。
すべてを一気に変える必要はありません。中小企業や個人経営の不動産会社にとっては、大規模なシステム導入や組織改革は現実的ではなく、段階的な対応が鍵となります。まずはできるところから、小さな改革を積み重ねていくことが、結果的に大きな成果につながります。また、継続的な取り組みによって、組織内に定着しやすく、従業員の理解と協力も得やすくなります。単なるコスト削減ではなく、従業員の働きやすさを考慮した上で、将来の成長を見据えた投資としての改革が今後求められる姿勢です。
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